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一覧へeco-café M I N Tニュースレターvol.16

ニュースレター投稿日時2017.08.30 11:50

地元

溶け込むには

図1

 

 

 

 

大室五郎さん   

桃山台在住。リタイア後、独立型社会福祉士として後見人活動を行っている。この地域のスポーツ吹矢の普及啓発に多大な貢献をされている。

 

 

 

 今回は、大室五郎さんにお話を伺いました。福祉活動やスポーツ吹矢を通して、地域住民だけでなく、障がいを持つ方たちにも関わりを持たれています。

 

福祉を【知ったきっかけ】

 福祉に触れたのは建設会社をリタイアする少し前のことです。それまでは全く知らない世界でした。59歳の時の同期会で、55歳で社会福祉士の資格を取ったという同級生の話を聞き、そこで初めてそういう資格があることを知りました。私自身、リタイア後は何をしようかと考えていた頃でしたので、自分もこの資格に挑戦してみようと思い、福祉専門学校の通信課程で勉強しました。受験科目が多くて苦労しましたが、スクーリングで出会った若い仲間の励ましもあって、リタイア直前の63歳で社会福祉士の資格を取ることが出来ました。

 

 リタイア後は、その資格を活かしデイサービスの生活相談員を4年ほど経験しました。その頃に、社会福祉士会の会合で、独立型社会福祉士として活躍している会員がいることを知りました。自分のペースで活動出来ることもあり、自分もやってみようと思いました。そのための特別研修を1年間受け、社会福祉士会を通じ家庭裁判所に登録し、知的障がいや認知症など判断能力に欠ける方たちの第三者成年後見人として、財産管理や身上監護を行っています。これまで9名の方たちと関わり、今も3名の方のお世話をしています。

 

【スポーツ吹矢との出会い】

現役時代は、職場と家の往復で地域とのつながりは殆んどありませんでした。役場に行くのも、住民票などが必要な時だけでした。地元に溶け込むには、宮代町の各種委員を経験させてもらうのが早道と思い、「広報みやしろ」などを見て、興味のあるものに応募しました。環境会議や福祉関連、公募制補助金や体育指導などの委員を経験することで、知り合いが増え、地元に溶け込んでいけたと思います。

 

 体育指導委員(現スポーツ推進委員)の時の平成17年に、スポーツ吹矢と出会いました。体験してみると、老若男女誰でも出来ることや介護予防にもなるので、多くの人にやってもらいたいと思い、体験教室を何度か開きました。また、教えるからには基本動作をしっかり習ったほうが良いと思い、協会会員となり、銀座にある協会本部で指導を受けました。

 

体験者や愛好者=会員が増えるにつれ機運が高まり、平成19年に宮代支部を立ち上げました。近隣地域にも出前教室などで支部役員と共に出かけた結果、久喜、北川辺、羽生、古河などで6支部が誕生しています。会員数も宮代で約100名、姉妹支部を合わせると500名を超え、交流の輪が拡がっています。

 

  「ふれんだむ」さんの出前教室も平成21年からですから長いお付き合いとなりました。礼儀作法や集中力を身につけるのに最適との評価をいただき、月2回進修館で実施しておりますが、職場復帰や就労支援の一助になればと毎回56名の支部役員が指導に当たっています。昨年の「第9回全国障がい者スポーツ吹矢大会」では、Kさんが6m立位部門で優勝するなど好成績をあげています。

 

【動き出すこと・・・】

きっかけがないと、外に出ることはなかなか難しいと感じます。自分がアンテナを張ること、一歩踏み出す勇気を持つことがリタイアした後には大事なことではないかと思います。一つ何かを始めると、つながって広がっていくこともあります。

 

 新しい出会いや違った世界を知ることが出来るので、新しいことにチャレンジすることは好きなのだと思います。昨年も、熊谷で4日間研修を受け、障害者スポーツ指導員の資格を得て、障がい者スポーツ全般にも関わっています。

 

 妻には「いい歳をして」と心配をかけていますが、日々の後見活動やスポーツ吹矢普及活動以外にも、今秋の福島での同窓会や各地での会社OB会に参加したり、大阪での独立型社会福祉士研修会に出かけたり、また、その機会を利用して世界遺産(熊野古道)を訪ねたりとまだまだやりたいことは盛り沢山です。