地域のMINTファミリー紹介
田沼大輔さん 『モノでなく、コトをつくる』
(ご紹介)
日本工業大学院、建築学科を卒業。アトリエアンドアイ坂本一成研究室を経て、現在はAE5partnersに勤務。在学中にカフェの設計を担当してもらった。
今回は、田沼大輔さんにお話を伺いました。田沼さんは、日本工業大学院、建築学科、小川研究室の卒業生で、在学中にカフェの設計を行っていただきました。田沼さん以降、代々学生さんたちがカフェの依頼を引き継いでくれています。
【MINTカフェをつくる】
卒業して7年くらいになります。当時は、駅前の情報ステーション(まちプロ)を行いながら、直接的に宮代町に関わることが少なかったので、カフェの設計の依頼を受けたときは、何か始められるという気持ちでうれしかったです。どんなことをやっていきたいのかを聞いた時、「障害がある人でも主役になれる舞台を作りたい」と言われたことを覚えています。
さらに、カルチャー教室や音楽イベントなど色々な企画をしていきたいというイメージでしたので、どうすると良いのかを考えました。小川先生と相談しながら、席を固定しない自由な空間、店に入りやすいカフェらしさを成立させる、これらを意識して考えていくことになりました。初めての設計でしたので、楽しさと不安はありましたが、小川先生のバックアップをいただきながら、自分なりにやらせてもらえたと思っています。
【建築の楽しさ】
職場の仕事もありますが、個別で依頼されることもあります。最近は、小さなペットと泊まれる宿泊施設を依頼されて設計しました。他にも、学校に行けていない人たちに対して、古民家を改造し、居場所として使用してもらうプロジェクトにも携わっています。
依頼を受けて進めていくにあたり、施主の方と話し合ってニーズを探ったりしていくプロセスやそれを基にデザインを考えている時が楽しいですね。様々な要望があるので、こちらから提案もしますが、最終的には実際に使う人が良いと思うもの、使いこなせることが良いと思いますので、いろいろな活動ができる大きな器を考えるというイメージで取り組んでいます。
【これから】
将来は、自分の設計事務所を持ちたいですね。自分の名前で物をつくって、世の中に出したいです。大きな建築なら図書館を設計してみたいとも思います。
今の建築は、作ることだけでなく、その前の段階であるコンセプトや目的などを施主の方とやり取りしながら作っていくことが求められていると思います。「モノを作る」よりも「コトを作る」というイメージです。
学生さんたちには、「相手のことを考えて作る」という感覚や経験を大事にしてほしいと思います。そして、好きなことをやってみたら良いと思います。極限までやってみないとわからないので、何事もとことん突き詰めてみるといいですね。